新千歳行きエアドゥ機が規定高度より高く飛行!何が問題なの?

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先ほどニュースで報道されていましたが、羽田空港発新千歳空港行きのエア・ドゥの旅客機が、1月2日の午後に規定高度をオーバーして飛行していたことがわかったそうです。

この影響でエア・ドゥの4便が欠航になり、正月休みの北海道から帰る人々に大きな影響が出ました。

しかし規定高度よりも低いなら問題だと直観的に理解できますが、それより高いと何が問題なのかわかりにくいですよね。

そこでこの記事では、旅客機が規定高度よりも高く飛んでしまうことの何が問題なのかについて解説していきます。

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飛行機の規定高度とは?

一般的に、飛行機は高度約1万メートルほどの場所を飛行します。

この高度である理由は、現在主流の飛行機のエンジンでは、高度1万メートルくらいがいちばん効率よく飛行できるからです。

常識的な話ですが、空気は高度が高くなればなるほど薄くなります。

そして空気抵抗は空気が薄い程小さくなるので、単純に言えば高度が高ければ高いほど空気抵抗が小さく、同じ推進力でもより速度が出せるのです。

高度1万メートルともなれば気圧は地上の4分の1程度とも言われます。

それほど空気が薄いわけですから、少ない燃料でも効率よく速度が出せるのですね。

逆に、規定高度以下だと空気抵抗が大きいため、同等の速度を出すために現状よりも余計に燃料が必要になるわけです。

しかし話はこれだけでは終わりません。

高度が高い方が抵抗が少ないのであれば、なぜもっと高度をあげようとしないのでしょうか。

それは飛行機のエンジンの仕組みにあります。

ジェットエンジンは空気(酸素)を取り込み、それを圧縮して燃料を混ぜて燃焼、爆発させることで推進力を生み出しています

空気が薄くなるということは、取り込める酸素の量も減少するということですから、「圧縮・燃焼・爆発」というプロセスを経て必要な推進力を得ることができなくなるのです。

要するに、空気が薄すぎるとジェットエンジンの推進力が落ち、速度が出なくなります

このように飛行機の高度は高すぎても低すぎてもダメなのです。

規定高度はこうした兼ね合いを考慮して、もっとも燃料効率がよい高さが選ばれています

規定高度を超過するとどうなる?

飛行機が規定高度を超過した場合、いったいどうなるのでしょうか?

既に述べたように、高度を上げ過ぎるとジェットエンジンがきちんと機能しなくなり失速します。

それでも高度を上げ続けると、最終的にはエンジンを燃焼させるための酸素が供給されなくなりエンストすることになると思われます。

また、機体が失速すると飛行機を浮かせるための揚力が不足するので、落下してしまう可能性もあります。

もちろん、現在使われている大型旅客機は多少の高度超過があったとしてもすぐに落下することはありません。

しかし規定高度の超過はこういう危険もはらんでいるわけです。

発着時の規定高度逸脱は接触事故の原因に?

また、こういう巡行時だけじゃなく、空港からの発着時の規定高度逸脱は、他の飛行機と事故を起こす可能性もあります。

今回のエア・ドゥ機の場合はこのケースですね。

そもそも空港からの発着時には、管制塔が飛行機の上昇および下降時の高度を指示しています。

ところがその指示された高度を逸脱した場合、その高度を飛行中の別の航空機と接触事故を起こす危険があるのですね。

今回の件では何事もなく終わりましたが、もしもその場所に別の飛行機があったならば、空中で接触して大惨事になりかねなかったわけですから、問題視されるのもわかります。

エア・ドゥ機の企業体制が心配

今回の規定高度超過の原因は、操縦桿を握っていた副操縦士の操縦ミスだろうと報じられています。

一歩間違えれば大惨事になってしまう飛行機の操縦でミスが起こったということは、現実に何事もなかったとはいえやはり問題だと思います。

また、エア・ドゥはこの副操縦士と機長が搭乗予定だった便、合計4便を欠航させました

この判断は仕方がないことですし、そのまま機長らを登場させないだけ賢明ではあります。

しかし、エア・ドゥは操縦士や機長の予備人員を用意していなかったわけで、その人員不足は結構大きな問題な気がしますね。

たとえば、機長らが急病にかかった場合はどうするつもりなのでしょうか。

正月のUターンラッシュ時期に、このような影響を出してしまうと航空会社としての信頼性にも関わりますし、社会的な影響もあります。

格安航空会社として人件費に制約もあるのでしょうけど、エア・ドゥはもっと人員を補充したほうがいいのではないかという気がします。

他の格安航空会社についても、今一度しっかりと従業員教育や人員確保を行ってほしいですね。安くても安全が確保できないのでは意味がないですから。

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