北海道の新千歳空港から離陸しようとしたJALの航空機で重大なトラブルがあったことが話題になっています。
エンジンから煙が出て乗客が全員避難する事態に発展したとのことです。離陸前だったのが不幸中の幸いだったと思います。
この件については、一部メディアでエンジンから出火したとの報道もありますが、まだ原因は確定していないようですね。
この記事では、現時点でわかっていることなどをまとめていきます。
事態の経緯
今回問題が起こったのは、新千歳発福岡行きの日本航空3512便です。
この機は2月23日午後2時34分に離陸のために滑走路に向かったものの、降雪が強まるなど天候が悪化したためにしばらく待機していました。
そして3時10分頃、翼に雪が積もる可能性が出てきたために一旦ターミナルまで戻ろうと誘導路を走行しはじめたところ、客室乗務員が右エンジンから煙が出ているのを発見したとのことです。
煙は客室にも流れ込み客室内で異臭が発生したため、乗客乗員合わせて165名が緊急脱出用スライドから避難しました。
午後3時27分までには大きな混乱もなく速やかに全員の脱出が完了したそうです。
ニュースで報じられていた乗客の証言によれば、異臭は「焦げ臭いような、鼻をつく臭い」だったとのこと。
乗客のうち60代から70代の女性3人が腰や首の痛み、20代の男性1人が体調不良を訴えていますが、いずれも症状は軽いみたいです。
まあ、体調不良は異臭による精神的なものでしょうし、腰や首の痛みは明らかにスライド脱出時に少し負荷がかかっただけでしょうから、大事にはならないと思います。
ちなみに、問題の飛行機はボーイング737型機だとのこと。
かの「ヘリオス航空522便墜落事故」をはじめとする数々の事故がある機体と同型機ですね。
まあ、これは単にそれだけ世界中で普及している航空機だからなんですがw
煙が出た原因は?
右エンジンから煙が出た原因については、一部では「エンジンから出火した」と報じられています。
しかし実際のところ、本当にエンジンから出火したのかについては(この記事執筆時点では)まだ日本航空側も確認できていないみたいです。
この件について、テレビのニュースでは、航空評論家の樋口文男による次のようなコメントを紹介していました。
「エンジンの異常燃焼などの可能性も考えられるが、最も考えられるのは、油圧やエンジンのオイルが漏れ、高温のエンジンに触れて煙となり、さらに空調のダクトを通じて客室内にも煙が流れ込み、異臭が発生した可能性も考えられる」
エンジン自体の異常ではなくオイル漏れで煙が発生したというこの見解は、素人目にも納得できる説明だなと思います。
なぜなら、離陸直前ではなく、天候悪化で何十分も待機した後にターミナルへ戻るときに起こった事態だからです。
この時点ではエンジンはまだ出力が低い状態だったと思います。
だとすると、よくある航空事故のように鳥などの異物がエンジンに吸い込まれたようなケースではなく、純粋な整備不良の可能性が高そうですからね。
「オイル漏れ」説はとても納得できる見解です。
まあ、実際の原因が何だったのかについては、運輸安全委員会の調査委員が現在調査中なので、詳細が明らかになり次第追記したいと思います。
乗客へのJALの対応は?
こういうことがあると気になるのは、乗客に対するJALの対応ですね。
報道によれば、午後6時過ぎになってから、JALが用意したバスで札幌市内のホテルに移動したみたいです。
JALが手配したホテルで一晩過ごし、翌日の臨時便で福岡へ移動することになるのでしょうね。
まあ航空会社の対応としては無難なところですね。
ただし、空港で3時間以上も足止めされていた乗客はかなり疲労がたまっていると思いますし、乗客の当日の予定等も崩れたわけですから、もっと何らかの補償も必要な気がします。
感想
それにしても大手航空会社である日本航空の旅客機でこんなトラブルが起こったのは残念ですね。
上で書いたように、エンジントラブルであれオイル漏れであれ、いずれにせよ原因は整備不良である可能性は高いわけですから、格安航空会社ならともかく、JALでこういうトラブルはいただけません。
飛行機事故は即人命に関わるわけですし、もっと整備体制をしっかりして欲しいものです。
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