北海道で高校教師の不祥事が発覚しました。
甲子園に出場したこともある高校の教頭が、飲酒運転した上に当て逃げしたというのですね。
幸いにも物損事故なので人的被害はでませんでしたが、飲酒運転はそもそも犯罪ですから教育者としての資質に重大な疑義が生じる事案です。
この事件について、容疑者の今後に対する予測も含めて解説していきます。
事件の概要
今回逮捕されたのは、高校の教頭である58歳男性です。
容疑者が勤務していたのは、北海道芽室町にある男女共学の私立高校である白樺学園高等学校だとのこと。
白樺学園高校といえば、2015年の夏の甲子園に野球部が出場したばかりですよね。過去にも何度か出場経験がある北北海道地区の有力校です。
高校野球で良いイメージを持たれているのに、教頭の不祥事で話題になるのは生徒がかわいそうですね。
さて、容疑者の逮捕容疑は、2月13日午前1時10分頃に帯広市内の道路で信号待ちトラックに追突した挙句そのまま逃走したこと、要は当て逃げです。
目撃者の証言等から警察が容疑者を特定して逮捕に至りました。
これだけでも大きな問題ですが、逃走した理由が「飲酒運転していて怖くなったから」だというから呆れるしかありませんね。
ちなみに、芽室町は帯広市のすぐ隣にある人口1万9千人の町ですから、帯広市内で飲酒して帰宅する途中だったのかもしれません。
今回の逮捕はあくまでも当て逃げ事件(報告義務違反)についてのようですが、飲酒運転していたことが立証されればそちらの方が大きな問題になると思います。
当て逃げの罰則は?
当て逃げの罰則は、道路交通法117条の5に定められているように、「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
この法定刑からもわかるように、初犯なら大抵は罰金処分で終わります。
ただし、これはあくまでも物損事故の場合であって、たとえば今回のトラック運転手がむち打ち症などの診断を受けた場合はひき逃げになります。
ひき逃げの場合は、逃げた運転者が無過失でもない限り第117条第2項により「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」になるので、一気に刑が重くなりますね。
さらに今回の事件では、酒気帯び運転が立証されればさらに罪が重くなりますね。酒気帯び運転は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
「逃げ得」にならないように、警察にはしっかりと飲酒運転の事実を立証して欲しいものです。
容疑者は懲戒免職される?
気になるのは、今後容疑者に下される処分ですね。
特に高校教師と辞めねばならないのかどうかが気になるところです。
これについては、飲酒運転かどうかで明らかに対応が変わってきます。
飲酒運転に対する風当たりが非常に厳しくなっている現在、「酒気帯び運転&当て逃げ」は公務員でも懲戒免職になりうる事案です。
事実、2010年には京都市立中学校の教師が、酒気帯び運転と物損事故によって懲戒免職となっています。
比較的身内に甘いとされる公務員であっても懲戒免職になりうる事案ですから、私立高校の教師ならばなおさらクビになってもおかしくありません。
また、せっかく高校の野球部が甲子園に出場して全国に良いイメージを与えたというのに、教頭がこんな不祥事を起こしてしまっては、学校側としても放置できないでしょう。
そもそも生徒に遵法精神を教えるべき教育者が、犯罪を行った挙句に発覚を恐れて逃亡するなんて言語道断です。
これで容疑者が変わらず高校に勤務し続けたら、生徒に対する指導が説得力を欠いてしまいます。
こうした状況を考えると、おそらく今後容疑者は高校をクビになるだろうと私は予想します。
感想
今回は偶々発覚しましたが、おそらく58歳にもなってこういう飲酒運転をするような人物は、若い頃から何度も同じような行動をとってきたのでしょうね。
だから「自分は大丈夫」と思い込んで、教師としての立場を失うリスク等を勘案せずにこんな軽率な行動をとってしまったのだと思います。
それにしても、なぜこれほどまでに飲酒運転が減らないのでしょうか。
北海道はあの悲惨な砂川市の飲酒運転事故が起こった土地ですし、もっと個々人の意識が変わってもよさそうなものですけどね。
北海道は2014年の飲酒運転死亡事故数が全国最多というデータもありますし、他県と比較しても飲酒運転への危機意識が低い気がします。
ひょっとしたら、テレビなどのメディアで報じられる情報に対して、当事者意識が欠如しているのかもしれません。
飲酒運転事故を一番多く起こしているのは、30~50代という運転に慣れている年代の人々なのですが、この年代の人達の意識を変えるのはかなり骨が折れそうですね。
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