騎手による不正馬券購入問題で激震が走った「ばんえい競馬」ですが、再び関係者を悩ますような事件が起こっているようです。
ばんえい競馬の調教師たちに対する悪質な嫌がらせが横行しているというのですね。
一歩間違えれば大事故にもつながりかねない嫌がらせだけに犯人を一刻も早く逮捕して欲しいところですが、その犯人が問題です。
道警によれば、犯人は関係者の可能性が高いそうなのです。
いったいどういうことなのか、そしてばんえい競馬はどうなってしまうのか、詳しく解説します。
事件の経緯
今回問題になっている犯行は、次の2件です。
まず、ばんえい競馬の調教師が所有するトラックの燃料タンクに砂糖が混入されていました。
これは2016年1月20日にトラックの調子が悪くて修理に出したことで発覚したそうなので、犯行自体はもっと以前、1月14日~20日の間に行われたみたいです。
燃料タンクに砂糖を入れるとエンジンが焼きつくので、走行中にエンジンに異常が起こったら大事故につながりかねません。
かなり悪質な犯行です。
次に、自動車のタイヤを固定するナットが緩められていたことが2月18日に発覚しました。
これは先述のトラック所有者とは別の調教師が所有している車です。
この犯行が発覚したのは、道路を走行中にタイヤが外れてしまったからだそうですが、人通りが多いところで起こっていたら大事故になっていました。
外れたのは左後輪タイヤですが、右後輪タイヤについても同様にナットが緩められていたそうで、明らかに人為的なものです。
いずれも事故につながりかねない極めて悪質な犯行だと言えます。
警察はこれらの犯行について、器物損壊罪と威力業務妨害罪で捜査を開始したとのことです。
犯人は関係者?
この2つの事件は、北海道帯広市内にある帯広競馬場内の住宅や厩舎がある区域「厩舎村」で起こりました。
帯広競馬場の厩舎村は、ばんえい競馬の騎手や調教師が生活しているスペースです。
そして、この厩舎村は関係者以外の立入りが制限されています。
一般人の立ち入りが制限された区域で、ばんえい競馬調教師の車に悪質な嫌がらせを行えるのは、同じく立ち入りが可能な関係者だけだろう、というのが警察の考えみたいですね。
そうなると気になるのは動機ですが、被害にあった調教師の一人は次のように話しているそうです。
「(馬券不正購入)事件以降、厩舎村は(人間関係が)険悪な状態」
ばんえい競馬馬券不正購入事件は関係者の人間関係にまで大きな衝撃を与えていたようですね。
まあ、ばんえい競馬自体の存続が危ぶまれるほどでしたから、そういう危機的状況下で様々な不満が噴出してくるのは自然なことだといえます。
しかし、そこで拗れた人間関係から刑事事件に発展してしまうのはいただけませんね。
ばんえい競馬のイメージに大打撃?
しかしその推測があたっていた場合、信頼回復を目指すばんえい競馬にとっては大打撃です。
警察の考えが当たっているのなら、関係者間のギスギスした人間関係が刑事事件にまで発展してしまったことになります。
新たな不祥事としてばんえい競馬のイメージ低下は必至でしょう。
関係者以外の人間が犯人なら何の問題もありませんが、状況的にその可能性は低そうですし……。
先日、帯広市内でばんえい競馬振興連絡協議会が馬券不正購入事件の再発防止に向けた緊急集会を開催しました。
その中で騎手や調教師の代表者が、不祥事を二度と起こさないという決意表明を行っていましたが、仮にこの事件が内部犯であればその決意表明も虚しく聞こえますね。
おわりに
それにしても、犯人は自分の行動がどんな事態を引き起こすのかまったく考えていないような気がします。
いくら人間関係が拗れたとしても、ばんえい競馬業界が揺れているこの時期に関係者が事件を起こしたら、それは致命傷になりかねないことくらい想像できるでしょうに。
それが想像できないくらい短絡的な人間の犯行なのか、それともわかった上で自棄になっているのか……。
いずれにせよ愚かなことだと思います。
警察には一刻も早く犯人を逮捕して欲しいですね。
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