ジュエリーアイスとは?撮影できる時間や場所、注意点のまとめ

最近冬の時期にツイッター等のSNSで話題になる北海道関連のトピックとして、「ジュエリーアイス」というものがあります。

SNSを中心に知名度も高まってきていますが、まだまだ大手メディアに取り上げられることは少ない印象です。

そこでこの記事では、北海道の新たな観光スポットとなりそうな「ジュエリーアイス」について、役立つ情報をまとめてみることにします。

ジュエリーアイスとは?

そもそもジュエリーアイスとは一体何なのでしょうか?

これは名前の通り、透明で透き通った氷の塊です。この透明度の高い氷の塊に朝日や夕日が反射して幻想的な光景を演出してくれることから、もともと一部の写真家の間で話題になっていました。それが昨今のSNSでの口コミから人気に火がつき、徐々に広まってきたわけですね。

こちらで動画が見られます。

ちなみに、一口にジュエリーアイスといっても、「氷そのもの」を指している場合と、「それに太陽光が反射するという自然現象」を表している場合があります。氷そのものを話題にしているのか、被写体としての自然現象を話題にしているのかに注意しておいたほうが無難です。

流氷との違いは?

しかしただの氷であるなら、普通の流氷とはどう違うのでしょうか?

一般的な流氷はオホーツク海北岸から北海道へ流れ着いたものを指します。普通はアザラシが上に乗ったりできるくらいにサイズが大きく、見た目も真っ白です。見ていて自然の雄大さを感じます。

これに対してジュエリーアイスは、十勝川の水が凍って太平洋に流れ出た後に河口に打ち上げられたものです。このためサイズは流氷ほど大きくありません。アザラシも乗れません。形も独特で、河口に流れ着くまでに角が取れて丸みを帯びています。川の氷だからなのか透明度も高く、まるで人工物のような繊細さを感じます。これぞフォトジェニックというやつですね。

「ジュエリーアイス」の命名の由来は?なぜ英語?

ところで「ジュエリーアイス」という名前を聞くと、英語名なのが微妙に気にならないでしょうか。英語圏で普通に名前のある現象なのかな、と。

安心してください。この現象は十勝川河口に面した大津海岸特有のものですから、別に英語名としてあったものを流用しているわけではありません。

実はこの名称は、豊頃町出身で帯広の英語学校にて校長を務めている浦島久さんという方が名付けたのだそうです。英語名なのは英語学校の方だからなんですね。ドイツ語学校の方なら「エーデルシュタインアイス」になっていたのかも……冗談です。

命名者の浦島久さんは、ジュエリーアイスをテーマにした写真集も出版しています。Amazonで調べたところ星5つの評価でした。本職は教育者のようですが、写真家としてもなかなかの腕前の方みたいですね。

ちなみにこの「ジュエリーアイス」という名称は、2018年に豊頃町によって商標登録されました。これは別に町が独占しようとしているわけではありません。むしろ逆で、営利企業に勝手に登録されそうになったので、それに対抗するために出願したのが真相のようです。特定企業に縛られずに貴重な観光資源を盛り上げてほしい、という担当者の思いが伝わってきますね。というか、なぜ企業は勝手に商標登録しようとしたのか……

ジュエリーアイスが撮影できる時期と時間帯はいつ?

では、ジュエリーアイスが撮影できる時期と時間帯はいつなのでしょうか?

当然ですが撮影可能になる時期は、十勝川が凍る時期です。それは冬の寒さがいちばん厳しくなる頃、つまり1月中旬から2月下旬になります。もちろん年度によって多少のズレはありますが、概ねこの期間が見頃だと言えましょう。

ちなみに、2018年は3月に入ってもまだジュエリーアイスが見られたようです。3月にしか時間が取れないという人も、一縷の望みにかけて北海道旅行に来てみてはいかがでしょうか。

なおシーズン中は、豊頃町の公式サイトの特設ページから、海岸の様子を移した写真が見られたりします。「まだ見られるのか気になる!」という人はチェックしてみてはいかがでしょうか。

⇒ 豊頃町の新絶景/ジュエリーアイス

撮影に適した時間帯については、早朝の朝日が登っている途中。それと夕日が沈む頃ですね。日没時と日昇時の変化を撮影するなら、写真ではなく動画にするのも手かもしれません。

ジュエリーアイスの撮影に適した場所は?

ジュエリーアイスの撮影に適した場所としては、十勝川河口の横に広がる大津海岸沿いの砂浜が挙げられます。大津漁港までいくと見られません。十勝川の方に近い方の砂浜ならだいたい見られるかと思います。

大津海岸までのアクセス方法は?

大津海岸までアクセスするには、まず豊頃町まで移動する必要があります。しかし札幌から豊頃町までは、道東自動車道を使っても3時間40分、帯広からでも車で40分かかります。

また注意しなければならないのは、中心部であるJR豊頃駅から大津海岸までは約20kmも距離があるということです。徒歩での移動は不可能ですし、車であっても冬道を30分近く走らなければなりません。

ジュエリーアイスの撮影場所は、意外と過酷な位置にあります。

ジュエリーアイス撮影時の注意点は?

撮影時の注意点ですが、これはいくつかあります。

車での移動が必須

アクセスの不便さとも関連しますが、ジュエリーアイスを個人で撮影しようとするなら、自動車での移動は必須です。JRで豊頃町まで移動したとしても、そこから海岸まで徒歩で移動することはまず無理です。素直にタクシーを使うか、レンタカーを借りるか、自家用車で移動するか、ですね。

なお豊頃駅周辺にはレンタカーがありませんから、借りるなら帯広空港周辺になります。飛行機で豊頃町まで見に行く人は、空港到着後にレンタカーを借りて移動するのが賢いかもしれません。

慣れない本州のドライバーが冬道を運転するのはかなりハードルが高い気もしますが……

ちなみに、北海道で冬にレンタカーを借りるならFFではなく4WDを選ぶのが無難です。その理由はこちらに書いています。

⇒ 雪道は4WDが必要!北海道民が四輪駆動車を購入する理由とは?

コンビニが周囲に存在しない

海岸から最寄りのコンビニまで20kmあります。道民のライフラインであるセイコーマートは、豊頃町には駅前にしかないんですね。

ですから食品などの補給物資をあらかじめ買い込んでおかないと、極寒の地で寒さと空腹に震えるという地獄を味わうことになります。

また、こちらのセイコーマートは24時間営業ではありません。6時~23時営業なので、深夜に駅まで買い物に戻っても閉店しています。これは本当に注意が必要です。

同様にトイレも数が少ないです。

さすがに豊頃町も観光名所としてジュエリーアイスを売り出そうとしているので、観光客向けのトイレの設置は進めています。海岸付近に24時間やっている簡易トイレがあるのはそのためです。しかし数が少ないのは間違いないので、余裕があるうちに行っておくのが無難だと思います。

防寒具による対策が必要

日没時や日の出時を見計らって撮影するとなると、どうしても気温が低い中でカメラを構える必要があります。

意外とわかっていない方もいるのですが、1月中旬から2月下旬の豊頃町は下手をするとマイナス20度を下回ってきます。平均で最低気温マイナス15度です。生半可な防寒具では太刀打ちできません。

「せっかく現地まで足を運んだのに、防寒対策が甘くて長時間留まることができなかった」

こういう感想がツイッターを見ていると意外に多い。それはとてももったいないです。

上も下も何枚も重ね着して、耳をカバーできる帽子などを用意して、手袋や使い捨てカイロも準備しておきましょう。フードの付いたダウンがあれば耳もカバーできるので良いかもしれません。マフラーなども良いですね。顔を出していると寒すぎて普通に痛いですから。

靴にも注意が必要です。冬の北海道は基本的に雪があります。除雪なんてされていません。滑るし足が雪に埋まるし、散々です。ブーツは必須だと思います。

特に雪に慣れていない人は、転倒して頭を打たないように注意してください。

撮影用のカメラやスマホの保温にも注意

このレベルの寒さになってくると、スマホなどの精密機器にも結露の危険性が出てきます。きちんと防寒しないと故障しかねません。

不用意にスマホを外に出しっぱなしにしたりしないように気をつけましょう。

同様にカメラのバッテリーにも注意が必要です。このレベルの寒さだと、カメラのバッテリーに不具合が出ることも十分に考えられます

人だけでなく精密機器についても保温を徹底してください。

海に近づきすぎない

撮影のために海に近づきすぎるのも実は危険です。なぜなら、波打ち際は水しぶきがかかるからです。

通常ならなんともないようなレベルであっても、この極寒の中で濡れてしまうのは危険です。人なら風邪を引きますし、カメラはすぐに水が凍って大変なことになります

住民に迷惑をかけない

これは一番大事なことだと思うのですが、旅行先の住民に迷惑をかけないようにしましょう。観光客のマナーが大きな問題になっている昨今、いくら配慮してもしすぎるということはありません。

海岸付近の駐車場は住宅地に近いので、下手にウロウロすると私有地に入ってしまう可能性もあります。

豊頃町の公式サイトでは、ジュエリーアイスを見に来る観光客に対して次のような注意書きをしています。

  • 私有地への立ち入り、横断はお止めください。
  • 道路及び私有地への駐車はお止めください。
  • 迷惑行為は一切お止めください。

このような注意書きが必要なほど、迷惑行為が多かったのだろうと推測できます。

自分たちがこういう行為をやられる側になったときにどう思うか。軽い気持ちで行動する前に、今一度考えてみましょう。

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