今日は非常に寒くて路面が滑りやすい状態でしたね。
暖冬の影響で今年は例年よりもスリップしやすい状態が続いていると感じます。
以前、札幌市内でスリップ事故が多発していることを紹介しましたが、本日も新たに大きな事故が起こったようです。
なんと、坂道を滑った作業車が二軒の住宅に衝突する事故が起こったとのこと。
この事故について、詳細を解説していきます。
事故の詳細
事故があったのは、札幌市南区北ノ沢3丁目にある市道の下り坂です。
地図を見ればわかりますが、事故現場は起伏がある土地みたいですね。
2016年1月8日の午前9時10分頃に、この坂道を登っていた電気通信設備業者の高所作業車が一時停止したところ、タイヤがスリップして発進できなくなり、そのまま坂道を滑り落ちてしまったとのこと。
この車は最初に近くの住宅の車庫へ後ろから衝突し、その衝撃で向きを変え、今度は前から坂道を200メートルほど滑り落ちました。
その後、坂の下の住宅前に駐車中だった乗用車に衝突したものの勢いは止まらず、そのまま住宅の風除室に突っ込んでようやく停止したとのことです。
高所作業車というのは、要するに荷台にクレーンがついたトラックみたいなものです。
それが200メートルも滑り落ちてきたわけですから、その衝撃は並大抵のものではなかったはずで、下手に通行人を巻き込んでいたら大惨事になるところでした。
しかし幸いにも住宅の持ち主等に怪我はなく、制御不能になった車から咄嗟に飛び降りた運転手が腰に軽い怪我をした程度で済みました。
人的な被害がほとんどなかったのは不幸中の幸いですね。
住宅等の被害状況は?
ただし、物的な被害は割と大きいです。
最初に衝突した住宅の車庫に、坂道下にあった住宅の風除室が大きく損傷しています。
自動車についても左側からぶつかって完全に大破しており、おそらく廃車になるでしょう。
駐車していた位置から考えて、この自動車は風除室が壊された民家の住民の持ち物でしょうから、この人は生活に大きな支障が出そうですね。
まあ、この寒い時期に住宅の壁が壊れていたら致命傷ですから、そこまでいかなかったのは良かったですけど……。
おそらく住民はそんなふうにポジティブには考えられないでしょうね。
まあ、この事故を起こした作業車は札幌に本社がある「株式会社つうけん」のものであり、この会社は平成27年度の純利益が約13億円ある会社ですから、賠償金が払われない心配はないと思います。
事故原因はアイスバーン?
タイヤがスリップした原因については、やはりアイスバーン状態の路面だろうと見られています。
最初に述べたように、今年は暖冬の影響で昼間に雪の表面が溶けて夜から朝にかけて凍結することが多く、そこら中でアイスバーンになっています。
まして坂道ですから、滑り出したら制御不能になるのは当然です。
一時停止したことで再発車できなくなったというのであれば、この事故はある意味不可抗力です。運転手を責めることはできないと思いますね。
札幌市には対策を怠った責任がある?
運転手にとっては不可抗力かもしれませんが、地元自治体の札幌市にとっては不可抗力ではなさそうです。
なぜならこの坂道では、過去にも何度も同じスリップ事故が発生しているからです。
次のような住人の言葉が報じられています。
作業車がはじめに衝突した住宅の隣に住む75歳の男性は「おととしはタンクローリー、その前は大型トラックとこの坂道で7、8回同じような事故が起きている。最初にスリップ事故が起きた10年ほど前から、札幌市にはロードヒーティングにしてほしいと要望しているがいまだ実現していない、ここは危険地帯です」と話していました。
本当に過去10年間で7、8回もこのような事故が起こっているのであれば、ほぼ毎年のように被害が出ているということです。
これほどの頻度であれば、時間帯によっては人が巻き込まれて人命が失われる可能性も十分にありますね。
さすがに自治体が早急に対処すべき事案ではないでしょうか。
もちろん予算の問題もあるので、ロードヒーティングをおいそれと導入できないのは理解できます。
しかしそこまでしなくても融雪剤を撒くなり、何らかの対処は可能だったのではないでしょうか。
この住人が言うように札幌市は対策を講ずるべきだったと私には思われます。
まあ、だからといって法的責任を問えるかどうかは別問題ですけどね。
おわりに
この手のスリップ事故は、札幌だけじゃなく色々な場所で起こりえます。平時ならなんともない坂道であっても、表面がアイスバーンになってしまうと途端に危険なスポットと化します。
大型車を運転する人だけでなく、自動車の運転手は全員注意すべきです。
運転手だけでなく、歩行者も車が不意にスリップする可能性を考慮しつつ冬道を歩くのが良いかと思います。特に観光客は気をつけたほうがいいかもしれません。
また、観光に来た方がレンタカーを借りる場合は、必ず4WDを借りるようにしましょう。雪道でのグリップ力が違います。
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