インターネット上には非常に便利なサイトがたくさんあります。
特に高速道路を利用する人にとって便利なのが、出発地と目的地を入力すればルートや料金、所要時間などの情報を表示してくれるサイト「ドラぷら」です。
このサイトは東日本高速道路が運営しており、内容が信頼できます。そのため利用者が非常に多く、影響力あるサイトだと言えます。
ところが、このサイトに北海道内にある道路5路線が登録されておらず、あたかもその間は高速道路が通っていないかのように扱われていたことがわかりました。
なぜこうした問題が起こったのか、そしてそれがどれだけ深刻な問題なのかについて、この記事では取り上げてみます。
「ドラぷら」に表示されない5路線とは?
今回問題になっている、「ドラぷら」に表示されない5路線は以下の通りです。
「道東道(本別IC―白糠IC)」
「日高自動車道(苫小牧東―日高門別)」
「深川・留萌自動車道(深川―留萌大和田)」
「旭川・紋別自動車道(比布―丸瀬布)」
「帯広・広尾自動車道(帯広―忠類大樹)」
この5路線に共通しているのは、「新直轄方式」という方法で建設された高速道路だということです。
新直轄方式とは、NEXCOが建設するのではなく、国と地方自治体が費用負担することで建設する高速道路です。基本的には無料で通行できるようになっており、旅行者が使用する場合も知っておくと非常に便利だといえます。
ではなぜ、利用者にもメリットがあるこうした道路が表示されないままなのでしょうか。
「ドラぷら」に表示されない理由とは?
最初に書いたように、このサイトは東日本高速道路が運営しているのですが、その目的はあくまでも自社の路線を紹介することなのです。
そのため東日本高速道路は、新直轄方式=自社が建設したのではない高速道路について、「ドラぷら」に表示されないようにしているのだそうです。
要するに、自社の利益にならないからわざわざ紹介しない、という態度なのですね。
個人的な感想を言わせてもらえば、表示しないほうが東日本高速道路にとって明らかに不利になると思うんですけどね。
これだけユーザー満足度の向上が重視される時代なのに、利用者の利便性よりも嫌がらせを重視しているわけですから、企業としての姿勢を問われても仕方がない行為だと思うのですが、担当者はそう思わなかったのでしょう。
そもそも無料の高速道路があるとはいえ、その区間はそれほど長い距離ではないですし、従来の東日本高速道路が管理する拘束道路に接続しているケースがほとんどです。
ということは、今回表示しなかった新直轄方式の道路を表示すれば、そこに繋がっている道路の需要も喚起できたはずなんですよね。
東日本高速道路は、目先の対応で利益を失っているように思いますね。
「データにない=存在しない」ということ
この問題を放置するのは得策ではありません。
ユーザーが多いサイトですから、多くの利用者はこのサイトのデータを信用して旅行等のコースを決めます。
ということは、このサイトに表示されなければ、多くのユーザーがそのまま「この区間は道路が存在しないのだ」と勘違いしてしまうのです。
ちょうど、Googleに表示されないウェブサイトが、ウェブ上に存在していないも同然なのと同じことですね。
こうした状況は当該道路区間にある地区の経済にとって大きな損失ですし、ルートが表示されないために旅行の行き先を変更せざるを得ないユーザーにとっても大問題です。
そういう細かな不満は、積もり積もって北海道観光業全体の損失になりかねません。
今回は釧路総合振興局が改善を求めたことでニュースになりましたが、この対応は正しいと思いますね。
「ドラぷら」側には、速やかにデータを修正して欲しいと思います。