北海道出身者が進学や就職で本州(内地)に引っ越した場合、必ず話題に上るのが「北海道にはゴキブリがいない」という噂です。
幼い頃から日常的にゴキブリを目にしてきた本州の人々にとって、これは驚くべきことだそうです。管理人も東京出身の友人と話したとき、最初は「嘘だろ?」と信じてもらえませんでした。
最近では道産子が頻繁にネタにするため、逆に嘘だと思われている節もありますw
では本当のところ、北海道にゴキブリは生息していないのでしょうか?
「北海道にゴキブリがいない」とされる理由は?
そもそもこの説に説得力があるのは、ゴキブリが寒さに弱いという事実があるからです。
特に北海道は冬の間基本的にずっと気温が氷点下の真冬日になりますし(気温がプラスなら「暖かい日」)、道東や道北に至ってはマイナス20度以下になる日もあります。ゴキブリはそういう北海道の極寒の環境に耐えられません。
北海道はゴキブリが生きていけない土地なのです。
そのため、かつて「北海道にゴキブリがいない」説は正しい情報でした。
現在は状況が変化している?
ところが、最近では状況が変わってきています。
たとえば、札幌などの繁華街を中心に少数ながらゴキブリ生息しているようなのです。
これは暖房が普及したことや、24時間使用される家電製品が増えたことが原因だといえます。ゴキブリはそうした1年中暖かい場所に潜み、越冬に成功しているのですね。
また、繁華街の飲食店などでは本州から送られてくるダンボールや中古家電製品などに卵が産み付けられており、そこから増えるケースが多くなっているようです。
他の原因としては、青函トンネルができた辺りから陸路で移住してきた説や、地球温暖化の影響で生息圏が増えた説などもまことしやかに囁かれています。
こうした状況からすれば、「北海道にゴキブリがいない」説は厳密に言えば間違いだということになります。
道産子はゴキブリを見たことがない
とはいえ、北海道でゴキブリが生息しているのは事実上繁華街だけです。
一般家庭にゴキブリの卵が付着したダンボールが届く可能性は低いですし、繁華街の飲食店やビルと違って24時間ずっと暖房をつけている家庭もほとんどありません。
そのため一般家庭にゴキブリが流入したり、暖かい場所で越冬して繁殖することは極めて少ないのです。
道産子が「北海道にゴキブリがいない」と自信を持って断言する理由はここにあります。
普通の北海道出身者にはゴキブリを見る機会が皆無であり、仮に繁華街で見たとしても誰も実物を教えてくれないので、それをゴキブリだと認識できないのですね。
私も東京で初めてゴキブリを見た時は、友達に「それゴキブリだ!」と教えられるまで何なのか理解できませんでした。「よくわからないデカい虫がいるな」くらいの感覚だったんですね。
今思えばのほほんとしてましたが、初見の虫に対する反応なんてそんなものです。
北海道にいるゴキブリの種類はチャバネだけ?
近年は北海道の繁華街にも生息しているとされているゴキブリですが、実は目撃されるゴキブリの種類は限られています。
本州と違って北海道にいるのはチャバネゴキブリだけなのです。
それも体長2センチ未満の個体がほとんどで、はっきり言って本州と比較すれば別種だと勘違いするほど小さいですね。
そもそもチャバネゴキブリは飛ぶことすらほとんどありません。ゴキブリはこちらに向かって飛んでくるから恐ろしいのであって、飛ばないやつらなんぞ話になりません。
脅威度からすれば、ゴキブリ界のザコキャラと言ってもいい存在ですね。
その意味で北海道は依然「ゴキブリが(事実上)いない土地」だといえます。ドラクエ3ならアリアハン周辺くらい楽な環境です。
北海道民のゴキブリに対する反応
北海道民はゴキブリを身近に見たことがないものの、多くの人が嫌悪する虫だという認識は持っています。
しかしその脅威度は伝聞でしか無いので、完全に他人事です。そのため実物を見せられても、嫌悪より先に物珍しさが来てしまいます。
「これがあの悪名高い『黒い悪魔』か……」などと、有名人に会ったときのようなある種の感動を覚える人もいるみたいです。
以前『月曜から夜ふかし』というTV番組が、道民にゴキブリを見せてみるという企画を放送していましたが、あれはおそらくリアルな反応だと思います。
もちろん虫が苦手な人もいるので、全員が興味津々というわけではありませんけどね。
まとめ
- 北海道は冬が寒いので基本的にゴキブリは生息できない
- 近年は、暖房や家電の影響で繁華街で目撃されている
- 一般家庭で目撃されるのは稀であり、多くの道産子は実物を見たことがない
- 生息しているのはチャバネゴキブリだけなので、本州より脅威度は低い