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函館にサイゼリヤや松屋が出店する理由とは?市場と出店戦略の変化から考察

北海道での生活

最近、大手外食チェーンであるサイゼリヤと松屋が相次いで函館市への出店を開始したことがニュースになっていました。学生時代に大学近くのサイゼリヤと松屋をよく利用していた私としては、本当に嬉しいニュースです。

しかし、気になることもあります。なぜ急にサイゼリヤと松屋が似たようなタイミングで函館への出店を決めたのでしょうか?

他にも、4月から5月頃には「ゆで太郎」と「もつ次郎」の併設店もオープンするそうです。こちらも函館への進出は初だといいます。一体なぜこのタイミングで?

この記事では、こうした疑問について、函館の市場変化と企業の出店戦略の変化から考察していきます。

外食大手チェーンの函館における新規出店状況

まずはサイゼリヤと松屋の函館市への出店状況を確認しておきます。

サイゼリヤの函館市場への参入

サイゼリヤは、2025年1月下旬に函館市美原のショッピングセンター「グランディールイチイ」内に函館1号店をオープンしました(参照: サイゼリヤ 函館市初出店) 。函館市民にはイトーヨーカドーの跡地にできた商業施設と言った方がわかりやすいかもしれませんね。

これは、同社にとって道南地域初となる出店であり、北海道内では19店舗目です。北海道にこれだけ出店しているのに、函館には最近までなかったというのは意外な感じがしますよね。そうした事情もあって、オープン当日にはかなり混雑していました 。

さらに、サイゼリヤは函館駅前の複合施設「キラリス函館」地下1階に、5月下旬に函館2号店をオープンする予定です 。わずか4ヶ月という短期間での2店舗目の出店には本当に驚きました。同社が函館市場に強い期待を寄せているのは間違いなさそうです。

松屋の函館市場への初進出

牛めしでおなじみの松屋も、サイゼリヤに続き函館への初出店を計画しています。4月24日に、牛めし定食屋の「松屋」と、とんかつ専門店の「松のや」の併設店の「函館亀田店」(函館市亀田町18-19)をオープンするそうです。住所的にコジマやポールスターショッピングセンターよりも駅側の方ですね。

さらに、5月末から6月初旬頃には、鍛冶2丁目にも函館鍛治店をオープンする予定となっています。こちらも短期間での出店です。正直なところ、デリバリーやテイクアウトの需要が高かった数年前にあって欲しかったですよね。なぜ今になってなのでしょうか。

この理由を探るためには、そもそも大手外食チェーンがこれまで函館に出店していなかった理由を考えるのが良さそうです。

サイゼリヤや松屋が函館に出店してこなかった理由とは?

これまで大手外食チェーン店が函館に出店してこなかった理由については、複合的な要因が考えられますが、個人的には以下の点が大きいように思います。

市場規模と成長性の評価

悲しいことに、函館市はかつて北海道内でも有数の人口を誇っていましたが、近年ではその地位が低下しています 。

函館市の人口は1980年の約34万5千人をピークに減少傾向にあり、2020年には約25万1千人まで減少しています 。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2060年には約11万3千人まで減少すると予測されており、少子高齢化と若年層の流出が深刻な課題となっています 。

(参考:函館市の人口減少が激しい理由は?原因と対策を徹底考察

大手チェーンは、より人口が多く、成長が見込める市場を優先的に展開するので、函館の市場規模が魅力に欠けていたということなのでしょうね。

物流コストとアクセス

函館は北海道の南端に位置しており、他の主要都市からの距離があります。本州からなら海を隔てていますし、北海道の中心である札幌とは300km近く離れており、車で4~5時間もかかる距離です。しかも冬には雪が振ります。輸送コストはどうしても大きくなるでしょう。

こうした食材の輸送コストや物流の複雑さが、出店の障壁となっていた可能性は高いと思います。

市場規模が縮小することが予想されていて、しかも物流網を整備するのにコストが大きいとなれば、出店候補地として優先順位が低くなるのも不思議ではありませんよね。

外食大手の函館出店が相次いでいる理由とは?

では、こうした要因がありながら、なぜ今、外食大手の函館出店が相次いでいるのでしょうか?

私は次のような理由が考えられると思います。

  1. 観光客数の増加による市場の拡大。
  2. 各社の地方都市への積極的な展開戦略への転換。
  3. 物流インフラの進展とコストの最適化。

順に解説していきます。

函館市の観光客数の増加による市場の拡大

近年、函館市の観光客数が大幅に増加しています。

2023年度の上期(4月~9月)には約313万9千人が来函し、前年同期比で20.2%増、外国人宿泊客数は4.1倍に増加しました 。2024年度の上期もこの傾向は継続しており、来函観光客数は約345万3千人と前年同期比10%増、外国人宿泊客数は37%増となっています 。半年間で市民の10倍以上の観光客が訪れるわけです。

観光客数の増加は、そのまま外食需要の増加に繋がります。旅行先での食事は外食とイコールですからね。特に駅周辺や観光地に近いエリアでは、手頃な価格で利用できる外食チェーンは、観光客にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

外食大手企業にとって、函館市がこれまでより魅力的な市場に見えてきてもおかしくありません。

各社の地方都市への積極的な展開戦略への転換

サイゼリヤや松屋は、近年、大都市圏だけでなく地方都市への出店を積極的に進めています

サイゼリヤは、国内の未出店地域や新商圏への出店を加速しており、例えば2023年には、本州最北端の青森県へ初出店しました。

また、松屋は以前から全国展開を目指しており、近年では、北海道においても札幌市や旭川市に加え、音更町、恵庭市、苫小牧市など地方都市への出店も行っています。2025年3月には、帯広市と千歳市にも初出店したそうです。

こうした流れを見ると、30万人近い人口を抱える函館市が次の候補地に選ばれるのは、自然なことに思われますね。

物流インフラの進展とコストの最適化

函館への物流インフラは以前から一定程度整備されていましたが、近年では冷凍コンテナの輸入が増加するなど、外食チェーンが食材を調達しやすい環境が整いつつあります 。

また、近年の各チェーンの地方出店積極化によって、物流ノウハウも蓄積されているはずです。それに、青森や苫小牧市への物流網が整備されたのであれば、そこから函館までの物流網を広げるのは、従来の想定よりもコストが低減されて当然な気もします。

まとめ:函館への外食チェーン出店は今後も増える?

サイゼリヤと松屋をはじめとする大手外食チェーンの函館への相次ぐ出店は、函館市の市場環境の変化と、各社の戦略的な意図が複合的に作用した結果だと考えられます。

縮小傾向で魅力にかけると思われていた市場に、観光客数の増加が新たな外食需要を生み出したこと。各社の地方都市への積極的な展開戦略から、次に函館をターゲットの一つとするのが自然だったこと。物流コストも従来より低く抑えられそうなこと。

こうした要因から、大手外食チェーンにとって函館市場がより魅力的な市場として認識されるようになったのですね。

そうだとすると、函館の市場が魅力的に見える企業が他に出てきてもおかしくありません。今後、他の外食チェーンが続々と函館に進出してきてもおかしくないと思います。

それによって函館の地域経済が活性化してくれれば本当に嬉しいですね。

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