台湾で政権交代が起こり、野党である民進党の蔡英文主席が初の女性台湾総統になるようです。
このニュースは一見北海道と無関係のように思えますが、実は台湾の政治動向は北海道経済と密接に結びついています。
なぜなら、北海道経済部観光局の資料によると、平成25年度までで北海道への外国人観光客数が一番多い国は台湾だからです。
意外にも台湾の方が中国人観光客よりも多いのですね。
したがって、新総統である蔡英文の対日姿勢は、台湾人観光客の誘致、ひいては北海道経済に大きな影響を与えうると私は考えています。
そこでこの記事では、蔡英文が政治的に親日派なのかどうか、対日姿勢について調べてみました。
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蔡英文は親日派?
まず言えることは、蔡英文が明らかに日本との関係を重視していることです。
彼女のWikipediaには次のような記述があります。
2008年10月、週刊東洋経済のロング・インタビューを受けた。この中で、対日関係について「日本と友好的関係、協力的関係を維持することは、最も良い政策的な選択肢だ」と述べた。
もちろん、これは日本の週刊誌に対する発言ですし、この一事をもって親日というわけにはいきません。
しかしこの他にも、つい最近である2015年10月に来日し、日本政府高官と非公式に会談したことが判明しています。
新聞報道を信じるのであれば、安部首相とも非公式に会談していたと見られています。
さらには次のような発言も報道されています。
「今回の訪日は民進党の対日関係重視を表すものだ。日本の各界と意見交換し将来の協力の方法を探したい」
このように、蔡英文の実際の言動を見ても、日本との関係を重視しているのは間違いなさそうです。
これは中国との関係において与党である国民党が一貫して親中姿勢を打ち出し続け、国民から強く反発されたこととも関係がありそうです。
おそらく国民党との差別化をあえて鮮明にしているという側面もあると思います。
しかし理由はどうあれ、蔡英文が周囲からも親日派と目されていることは間違いなさそうですね。
実際、2015年6月のTIME誌アジア版に蔡英文に関する記事が掲載された際に、北京からきた記者と高雄の日本食レストランで食事をしたという記述があります。
当たり前ですが、TIME誌アジア版は別に日本の雑誌ではありませんし、北京から記者なのですからおそらくは中国人記者相手です。
そういう人物に対して日本食レストランでわざわざ食事をする理由なんて、中国への牽制として親日姿勢をアピールしているとしか思えません。
つまり、彼女は個人としてはわかりませんが、政治的には一貫して親日派を貫いているということです。
反日説を唱える人も?
ただし、ネット上では「蔡英文は反日的な政治家だ」と主張している人もいるみたいです。
こういう見解の根拠としては、彼女が尖閣諸島が台湾の領土であると主張していることと関係があるようですね。
たしかにこうした見解は、日本政府の公式見解からすれば受け入れがたい主張です。
そこだけを見れば、蔡英文が反日的だといわれるのも納得できます。
しかし、「親日=無条件の日本追従ではない」ということに留意しておくべきです。
当たり前の話ですが、政治的に親日派の姿勢を見せていることと、あらゆる政策で日本に追従する姿勢を見せることは別の話だといえます。
なにしろ彼女は台湾の政治家なのですからね。
台湾の利益を主張せずに日本政府の立場を無条件に追認していては、今回の選挙で国民の支持を集めることは不可能だったでしょう。
これはどんな政治家であっても同じことです。
政治家は自国の利益を図るために、戦略的に国家間の友好関係を利用するものですし、そうあるべきです。
この観点からすれば、尖閣諸島に対する政治的立場が日本と対立しているからといって、それだけをもって蔡英文が反日的だとは言えないと思います。
政治的な立場における「新日/反日」という分類は、二者択一的なものでもなければ、あらゆる政策に一貫していなければならない絶対的な基準でもないのです。
そして総合的に見れば、蔡英文は日本との協調を重視する親日政治家だと言えるように思います。
まとめ
- 蔡英文は日台関係を重視する親日派
- 尖閣諸島の領有権については日本と対立
- 親日か反日かは1つの政策だけで決まるわけではない
日本と台湾の関係を重視する方なら、北海道を訪れる台湾人観光客も今後ますます増えていくかもしれませんね。
北海道経済を憂う管理人としては、外国人観光客による経済振興は歓迎すべきことです。
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