最近は私の中で女子スキージャンプが熱いです!
北海道出身の選手たちが活躍するウインタースポーツなので、個々の選手たちへの応援に感情が入りやすいんですよね。
毎週のように大会があるので週末の全国ニュースで頻繁に取り上げられますし、何より日本人選手が大活躍している競技なのがうれしいです。
この競技のチャンピオンといえばワールドカップ女子歴代最多勝利記録を持っている高梨沙羅選手ですが、実は最近急速に結果を出している選手がいます。
それが北海道下川町出身の伊藤有希選手です。
特に2017年に入ってからはワールドカップ初勝利を飾った1月14日からわずか1ヶ月の間に4勝もしています。
また、今シーズンは表彰台に上がった回数も過去2シーズンを上回っており、完全に才能が開花した印象です。
この調子で行けば2018年に予定されている平昌冬季オリンピックでのメダルも十分に期待できるのではないでしょうか。
では、いったいなぜ伊藤有希選手はこれほど急に力を伸ばすことができたのでしょうか?
今季好成績の理由は何なのかについて、私なりに考察してみます。
伊藤有希のこれまでの成績は?
そもそも伊藤有希選手は、突然現れた新星というわけではありません。
中学1年生だった2007年コンチネンタルカップレディースにて、史上最年少で表彰台に登るなど女子スキージャンプ界では早い時期から頭角を現していた選手です。
2歳年下である高梨沙羅選手がコンチネンタルカップで表彰台に登ったのは2010年のことですから、当時はむしろ伊藤有希選手のほうが期待されていたといえるかもしれませんね。
その後は高梨沙羅選手が瞬く間に世界のトップに躍進したため、世間の注目はそちらへと移っていきましたが、スキージャンプ競技に興味がある人の間では日本の有力選手として期待され続けてきました。
事実、国内ジャンプ大会では優勝多数、表彰台の常連であり、スキージャンプ界における日本女子のトップ選手だったことは間違いありません。
国際大会でも2013年世界選手権の男女混合団体戦で金メダル獲得にも貢献しています。
しかしながら、ワールドカップのような規模の大きい国際ウィンタージャンプ大会では、世界の壁に阻まれて優勝できずに来ました。
もちろん、高梨沙羅選手が前人未到のペースで勝利し続けていたことも理由のひとつではあります。
しかし表彰台にも登れないことが多かったことを考えると、厳しい言い方ですが純粋に実力不足だったという方が適切だと思います。
ですから、失礼ながら私は伊藤選手が今シーズンこれほど立て続けに優勝するとは想像していませんでした。
日本のトップ選手でもワールドカップ優勝は困難であり、高梨沙羅が傑出しすぎているだけなのだという諦念すら私は持っていました。
ところが最初に述べたように、伊藤選手はそんな私の諦念を吹き飛ばしてくれました。
日本は高梨沙羅だけではないのだ、トップ選手は世界でも戦えるのだと示してくれたんです!
伊藤選手がワールドカップで初勝利したときには、日本人として誇らしい気持ちになりましたね。
今シーズン好成績の理由とは?
次に、伊藤有希選手が2016-17年シーズンでこれほど好成績を収められた理由について考察してみます。
今シーズンになって急に勝てるようになったわけですから、これはオフシーズン中に取り組んだトレーニングがうまくいったということでしょう。
そして伊藤選手が夏場のオフシーズン中に取り組んでいたのは、バーベルを使ったウエイトトレーニングです。
特に太ももの筋肉を重点的に鍛えたそうで、それによってジャンプに重要な踏み切り時と空中にいるときの姿勢が安定するようになったとのこと。
もともと伊藤選手は筋力トレーニングに積極的に取り組んできたようで、過去のインタビューではバーベルトレーニングによって2012年シーズンの成績が伸びたと答えていました。
おそらくその後も筋トレを続けてきたのだと思いますが、今シーズンは特に注力したということなのでしょうね。
持ち上げられるバーベルスクワットの重量も昨年より10キロ重くなったのだとか。
それだけパワーが付いたならジャンプスーツのサイズも変わってきそうですし、目に見えて身体に変化があることで「やるだけのことはやった」という自信も湧いてきそうです。
また、平昌冬季オリンピックが近づいてきていることもモチベーションになっているのだと思います。
伊藤選手は子供の頃からオリンピックで金メダルを獲ることが夢だったそうですから、24歳で挑戦できる平昌冬季五輪は夢を叶えるための絶好のチャンスです。
そのためにも2016-17年シーズンは是が非でも世界と戦える手応えをつかみたいと思っていたはずであり、今シーズンに掛ける思いはひときわ強かったと思います。
そういったメンタル面での充実が成績にも反映されているのではないでしょうか。
2018年NHK杯ジャンプ大会でも優勝
その後、伊藤有希選手は平昌冬季五輪代表に選ばれたもののメダルはなりませんでしたが、相変わらず国内では高梨沙羅選手に続く有力選手として活躍しています。
毎年本格的な冬季シーズン開始前に行われるNHK杯ジャンプ大会では、2018年も前年に続いて優勝しました。2連覇ですね。
優勝後のコメントをみると、本人はまだまだ向上の余地があると思っているようですし、今シーズンも期待できそうです。
まとめ
- 伊藤有希選手は国内でこそトップ選手として活躍してきたものの、昨年までワールドカップでは未勝利だった。
- 夏場の筋トレによってジャンプ時の安定感が増し、世界を相手に戦える選手に成長した。
- 幼い頃からの夢である冬季五輪を1年後に控えたモチベーションの高さも、今シーズン好調の要因だと思われる。
ちなみに、伊藤選手は非常に礼儀正しくて性格もいいということで、地元である北海道下川町の住人にとても人気があるのだとか。
人格的にも優れた選手って心から応援したくなりますよね!